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VシネマでGO!

VシネマでGO!

2015.12.14更新

やくざの女5

 90年代を中心に一時代を築いたVシネマ。現在も継続的にリリースされる作品群の中から、珠玉の一作をピックアップしてご紹介する本企画第3回目は、人気シリーズ『やくざの女』の監督を務められた藤原健一さんにお話を伺いました!お話は作品だけにとどまらず、Vシネマ業界の裏が垣間見える激レアな内容に……!!
 




――シリーズ最初の作品である『やくざの女』から約1年半で5作をリリース。遂に完結しましたが……。

「1作目の評判が良く、販売も好調だったことからシリーズ化に。『やくざの女』の時は吉沢さんが1年ぶりぐらいにこういうドラマ作品に出演するという事で、緊張気味だったのが印象深いですね」

――ズバリ、見どころを教えてください。

「いやー、もうそれは吉沢明歩に尽きるでしょう。スタイルもいいしね。実はスケジュールが合わなくて、『2』〜『4』は僕が監督じゃないんですよ。そういうところもVシネマならではというか…。注目してみると面白いかもしれません(笑)」





――撮影現場についてお伺いしたいのですが、今回の『5』はどのくらいの時間で撮り切ったのでしょうか。

「全体では3日撮りですね。そのうち吉沢さんは2日。9月の撮影で、最終日は翌朝まで……。大変でした」

――基本的に現在のVシネマは3日で撮り切ることが多いのでしょうか。

「そうですね。今は3日が基本。任侠モノでもだいたい4日ぐらいが多いかなあ……。僕は撮りませんが、モノによっては1日撮り、2日撮りという作品もありますよ。こういった作品は、たとえば病院の中だけでシーンが展開していくとか、いわゆる1セットモノと呼ばれる作品ですね」

――なるほど……。長年にわたって映像作品を撮られてきた藤原さんですが、Vシネマに関して昔と現在の違いをお伺いできますか。

「大きなところではやっぱり予算ですよね。ぶっちゃけて言えば、昔は今の予算の3倍はありました。僕がデビューした頃に比べると随分メーカーも撤退してしまいましたね。そんな中でも、オールインさん(※『やくざの女』シリーズ販売元)は当時からリリース本数が変わっていないのは素晴らしいと思います(笑)」

オールイン関係者「ありがとうございます(笑)」

「女優に関していえば“当たり・はずれ”が大きかったかな。演技の面で……。まあ、自分にしてみれば演出の修業になりましたよね。途中から少し女のコの意識が変わって来たというか、たとえばみひろなんかはAVに出る前に1本撮ったんですが、あれは上手かった。現在は昔と比べて演技できる女のコが増えてきているところはありますね」



きさくにインタビューへ応じてくれた藤原監督
 

――藤原さんが考える、Vシネマの魅力とは?

「制作的な話をすれば、予算的に美術や衣装さんをつけられない部分を助監督が補ってしまうとか、何でも自分たちでやってしまうバイタリティの高さ、かなあ。これはピンク映画もそうですけど。最近は映像作品の中でハダカが減ってきていますが、Vシネマなら可能ですし、たとえば『5』で惨殺された女殺し屋が詰められたトランクを龍二(石川ゆうや)が開くカット。こういったシーンも、まずいんじゃないかとか、あまり考えなくてよいのはVシネマならではですよね。テレビや映画では提供できない世界観をユーザーに届けられるのが、一番の魅力ではないでしょうか」





「ただやはり最近は企画自体が守りに入ってきているというか……『やくざの女』が悪いというわけではまったくないですが、ちょっとシリーズものに固執してきている部分はありますよね。売り上げ的な部分のメドが立ちやすいというのはあるんでしょうが、2000年頃から激しくなってきた表現の自主規制とも相まって、少し大人しくなっているかなと。もっと自由な発想で作られた作品が世に出ていくといいのですが」

――たとえば、どんな冒険作が望まれるでしょうか。

「これはボツ企画なんですが……、最近女性向けのAVがあるじゃないですか。そこから発想を転換して、“女性向けのVシネマ”→“女性向けのヤクザもの”=『極道の王子様』(注:『テニスの王子様』へのオマージュ)という企画がありました。端的に言えばイケメンを集めて任侠モノを撮るという(笑)。昔はよく専業主婦がCSでVシネマを観ているなんていう話もありましたしね」

――Vシネマになじみがない方もこの記事を見てくれていると思います。藤原さんが勧めるVシネマの名作を教えてください。

「僕の監督作から挙げるなら、『新・監禁逃亡2―幻夜―』と『僕の彼女はロボワイフ』。それ以外なら吹越満が主演している『痴漢白書』ですね。痴漢と変態の純愛という……(笑)。どの作品も楽しんでいただけると思います」



新・監禁逃亡 2
主演:長澤つぐみ、2009年、竹書房




僕の彼女はロボワイフ 』
主演:周防ゆきこ、2010年、GPミュージアムソフト



痴漢白書
主演:吹越満、1995年、ケイエスエス

 

――『やくざの女』シリーズが完結して、今後の展開は?

「『5』で終わるはずだったんですが……。実はすでに『やくざの女―新章―(仮)』をもう撮り終わっている段階なんです(笑)。今度の主演は古川いおりで、なかなかいい演技をしてくれました。今後も『やくざの女』シリーズに乞うご期待、といったところでしょうか。」



『やくざの女』新ヒロインとして活躍が期待される古川いおり
 

――最後に、藤原さんの抱負を教えてください。

「先ほどもお話しましたが、もう少し自由な発想で作品を作れたら、という想いはあります。以前撮った『Is-A』は少年犯罪がテーマでしたが、そういった社会派の作品や、戦争モノなど、Vシネマで出来ることの幅を広げるような作品を生み出していきたいです」

――ありがとうございました!



渡世に咲いた一輪華――今宵、乱れ散る。
反目組織・神水連合の刺客により、組長でもある父を殺された美沙(吉沢明歩)。自らの運命を受入れヤクザとして生きていく決心を固め竜二(石川ゆうや)と共に関東支部長として組を盛上げていた。しかし、父の側近でもあり、現・会長代行の伊沢の裏切りが発覚。美沙たちと神水連合との全面戦争が勃発する!!



やくざの女5  』
出演:吉沢明歩、石川ゆうや、藤岡範子、河本タダオ、仁科貴ほか
監督:藤原健一/制作協力:ANGLE
製作・発売元:コンセプトフィルム
販売元:オールイン エンタテインメント
(C)2015コンセプトフィルム
【レンタル】12/25レンタル開始! 【セル】好評発売中!!




藤原健一 監督
ピンク映画の助監督等を経て『痴女教室』(主演:水谷ケイ、2000年、GPミュージアムソフト)にて監督デビュー。劇場公開作『Is-A』(主演:津田寛治、2004年、GPミュージアムソフト)は少年犯罪をテーマにした問題作として国内外で話題を呼んだ。現在も『やくざの女』シリーズをはじめ、来夏リリース予定の『オールインエンタテインメント15周年記念作品(仮)』でメガホンを取るなど、注目作を撮り続けている。



次回の更新もお楽しみに!


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